生まれてこの方三十ウン年…
名古屋、、、ではないけど近郊の市に育ち、完全な名古屋市民になってもう10年近くになろうとしてますが、実は名古屋名物と言われるようなものはそんなに食しません。
ひつまぶし、手羽先、味噌カツ、味噌おでん、あんかけスパ、シロノワール、などなど名物と言われるものはいろいろ出てきますが、
食べたことはある!程度です。
それもほとんどがそこそこ大人になってから。
名古屋名物だという認識を持ってから一度は食べておきたい、みたいな感じで食べに行ったから。
そんな感じなわけです。まぁ両親とも結構遠く離れた県外の人だからっていうのも大きな理由だとは思いますが。
そんな中で今回の主役『味噌煮込みうどん』も家で食べていた、
【赤味噌の豚汁に柔らかいうどんが入った、大きな土鍋から取り分けて食べる鍋物のようなもの。】
といった間違った認識を持って子供時代を過ごし、あの固い麺、ドロッとした濃いタレで煮込まれたいわゆる『名古屋の味噌煮込みうどん』を食べたときは衝撃でした。
それがまた名古屋からは遠く離れた八丈島出身のウチのすなふきんにも最初は衝撃だったらしいのですが、風邪を引いたタイミングで
「味噌煮込みうどんが食べたい、名古屋の硬い味噌煮込みうどんがいい」
と名古屋人に染まりきった発言が飛び出し、
「そんな立派なものはうちにはございません」
と返したところ、いつものごとく
「だったら作ればいい」となったわけです。
作ろうと思って調べていくといろいろ出てくるもので、 餃子皮手作りの時にも少し触れたのですが、 小麦の蛋白とグルテン、塩と伸ばす水の温度の関係を知らずして粉物を制することはできないわけです。
と、偉そうに言ってみましたが、そこまで深く語れるほど私も小麦マスターではないので詳しい説明は省略。
ともかく名古屋の味噌煮込みに使ううどんは硬いけど決してコシが強いうどんではありません。そのためには
・小麦に塩を入れないこと
・下茹でせずに粉をはたいた麺をそのまま味噌のスープで煮込むこと
がポイントになってきます。
やってみてわかったのですが、コシがないのでよくうどん打ちのイメージにあるような足で踏んだりひたすらコネ作業を力いっぱいやるようなこともしなくてOK。手作りするには楽なタイプのうどんなんです。
では作り方です。
味噌煮込みうどんの作り方
材料(2人前)
うどん
・強力粉 ---100g
・薄力粉 ---100g
・水 ---80cc
・強力粉(打ち粉用) 適量
スープ
・出汁 ---800ml
・赤味噌 ---大さじ4
・みりん ---大さじ2
具
・鶏もも ---好きなだけ
・卵 ---2個
・かまぼこ ---好きなだけ
・ネギ ---1本
・油揚げ ---2枚
※うちではごぼうやこんにゃくも入れましたがお好みで
作り方
小麦粉と水を計り混ぜます。
まとまってくるまでまぜまぜ
まとまったらしばらく捏ねます。体重をかけて、折りたたんでは押して折りたたんでは押して…
ちなみにうち、キッチンの850cmの高さではこの捏ね作業がキツイよね、って話から
後日専用の面打ち台まで自作してしまいました。
主にすなふきんが…
これで麺打ちの作業が格段に楽になりました。
話は戻ってうどん。
ある程度捏ねると表面がツルッとしてきます。
まとめて丸くしたらラップをして30分ほど待ちます。
その間にスープを作ります。(スープって呼び方に違和感あり。でもまぁ味噌汁も変なのでスープに統一。)
出汁、うちは昆布と煮干しで取りましたが、鶏肉や野菜からも出汁が出るのでお好みで。
だし汁を土鍋で火にかけ、沸騰したところで鶏肉、ごぼうやこんにゃくなど飾り意外の野菜がある場合はこの時点で煮ます。
鶏肉と野菜に火が通ったところで味噌投入。
しっかり味噌が溶かせたら、これで準備OK。
さて、ゆっくり休ませたら生地を伸ばしてまいります。
打粉をしたまな板で麺棒を使って均一に伸ばし、
折りたたんだら
ほどよき太さに切っていきます。
はい、これ絶対太いです。
そして薄いです。
これでは同じ名古屋名物とはいえきしめんです。
慣れてくると丁度いい厚みと太さが分かってくるのですが、それもまた手作りの良さ、楽しさとして捉えましょう。
麺の粉を軽くはたき、そのまま味噌を溶いておいたスープに入れます。
※間違って下茹でしてしまうとあの食感は再現できませんのでね。
ま、うちは一度失敗してやってしまいましたが。
これをやってしまうと普通のコシ弱めなうどん、というかきしめんの出来上がりです。
麺をほぐしながら軽く煮詰めたところで飾りの具材を乗せていきます。
こんな感じでバランスよく具材を寄せると、よりそれっぽくなります。
1回目に失敗してるので2回目のこの写真では麺もいい感じにうどんになりました。
蓋をして待つこと4~5分
出来上がりです!
まあ美味しそう!!
生麺をそのまま入れることで、はたききれなかった粉がいい感じにドロッとしたタレ感を作り出し、あの濃厚な味噌煮込みに仕上がります。
もちろんうどんも、え?半生?って思うような硬さを再現。
最初から塩分の効いた汁に入れるのでなかなか中まで柔らかくはならないんですね。
うちは大きな土鍋で作って取り分ける方式を取りましたが、小さい土鍋が人数分あるなんて素敵なご家庭は尚更、老舗のあの感じが出せるかと思います。
体も温まって、ほっこり。
自分で作れば所詮粉物、好きなだけ食べれます。
老舗の味を守ってる銘店に文句を言うつもりはありませんが、お店で食べるよりかなーーりお値打ちにいただけます。
冬の寒い時期に是非是非オススメの一品です。
投稿者プロフィール
- 古民家ぜいたく研究所 所長。
Syyson design worksのデザイナー&クリエイター、モノづくり担当。
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